オンラインカジノはいわゆるグレーゾーンにあるもので、日本の法律ではカジノを含む賭博は公営ギャンブル以外は禁止されています。
しかし、海外ではカジノは合法の所もあり、さらに言えばオンラインカジノはカジノが合法な国のサーバーにて運営されている海外の業者の物です。

そして、インターネット上での常識としては、法律はサーバーが置かれている国に準拠することとなっていますので、日本人がオンラインカジノを楽しむのはセーフだとする声が根強かったのです。
そもそも、法律がオンラインカジノ、あるいはインターネットを想定していないがためにこのような問題が起きるのですが、実際にオンラインカジノで逮捕者が出ています。

インカジやカジノカフェの場合は有罪になっている

インカジやカジノカフェの場合は有罪になっている

オンラインカジノで逮捕者が出たのは2000年代前半のことです。
インカジ、カジノカフェと呼ばれるお店の店長がお客にオンラインカジノを楽しませたという罪状でした。

インカジやカジノカフェとは、お客が店内のパソコンからオンラインカジノを楽しめるシステムです。
これにより店長が逮捕されました。
いわば賭博を斡旋していたからということです。

オンラインカジノについてあまりよく知らない人は、この事実だけで「オンラインカジノは危険」「オンラインカジノは違法」だと思うかもしれませんが、この件に関してはポイントがあります。

逮捕されたのはプレイヤーではなくスタッフ側

まず、この手の件で逮捕されているのは基本的にはプレイヤーではなく店長やスタッフです。
罪状としては、オンラインカジノで使えるチップをお客に販売し、そのチップでお客がオンラインカジノを楽しんだからです。
つまり、「賭博を斡旋したから」逮捕されたのです。

さらには、ただ単に斡旋しただけではなく自らでチップを販売していましたので、いわば賭博の「胴元」的な立場でもありました。
それ故の逮捕となったのですが、オンラインカジノを使っていたことから、未だに「オンラインカジノは違法だ」と誤解している人が多いのも事実です。

その後ユーザーからも逮捕者が

その後ユーザーからも逮捕者が

さらにはインカジだけではなく、通常のユーザーからも逮捕者が出ました。
その時に逮捕された理由としては、海外のオンラインカジノではあるものの、日本人ディーラーを起用していましたので、「日本人向け=日本のオンラインカジノ」とみなされてしまったのです。

その結果、この件に関してはオンラインカジノのユーザー側が逮捕されてしまいました。

しかし、この逮捕劇は当初から疑問が挙げられていました。
法曹界からは、ユーザーだけではなくオンラインカジノの提供者側も逮捕されなければおかしいという理屈でした。
そして実際、逮捕されたものの不起訴になったことから、むしろ「オンラインカジノでは逮捕されない」ことが証明されてしまった瞬間でもありました。

ではなぜ逮捕されたのか。
その背景には人気が高まりつつあったオンラインカジノに対して、何らかのアクションを警察がしたかったのではないかと囁かれています。

人気を集めるようになれば、様々な人がオンラインカジノに触れるようになります。
すると、「あれは違法ではないのか」という声も増えてくるのは容易に想像できますが、そういった声はもちろんですが、いわば「見せしめ」に逮捕することで、国内のオンラインカジノユーザーにくぎを刺したかった部分もあるのでしょう。

しかし法曹界からの反発等もあり、不起訴となったことで、以降オンラインカジノによる逮捕者は出ていません。
つまり、オンラインカジノユーザーの逮捕は「起訴にまでは至らないもの」であることを、皮肉にも警察が自らで証明したことになります。

今後は合法化の流れに

今後は合法化の流れに

さらには今後、日本でもカジノが解禁されようとしています。
IR法案は「カジノ法案」などと称されることもありますが、正しくはリゾート関連法案で、そこにカジノも含まれていることになります。

もちろんこの法律が施行された瞬間、急にカジノ業者が増えるわけではなく、国内で三カ所に限りカジノが可能な場所をという案があるのですが、ではオンラインカジノはどうなるのかなどは、まだまだ未知数です。

いわば「カジノ特区」を作るという構想になりますので、オンラインカジノまでが許可されるとは限りません。
しかし、それでもかつてはカジノそのものが違法であったことを考えると、今後オンラインカジノが合法になる可能性も決してゼロではありません。

まとめ

「オンラインカジノで逮捕者が出た」は、紛れもない事実ではありますが、一方で、少し事情を考えるとオンラインカジノが逮捕されたのは、インカジやカジノカフェを除けば、警察の勇み足だった点が分かります。

更には、インカジをオンラインカジノだと思ってしまっている方が多いので誤解されている部分もあるのですが、個人が楽しむにあたっては安心して楽しめるものであることが分かるのではないでしょうか。